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クリエーターの脳内思考を垣間見せるブログです!

【マンガ】コミック「キングダム(68)」本日発売!横山光輝から続く中華の古代史がヒットするわけは…

 本日、最新刊のコミック「キングダム(68)」発売日で昼間にすぐ買いに行った。

 

 

 まあ、最近では多くの人がデジタル版を購入されると思うけど、僕は紙のコミックが大好きなのです…

 

 散々、今までAIだのなんだのと言って来たのに、コミックに関してはアナログなんですよね!w

 

 やっぱり、マンガを読む時って紙の匂いがして、それが、マンガを読んでいる実感にもつながっているんだよ…w

 

 まあ、それはそうと、「趙」攻めが佳境に入って来て、秦の「桓 騎」と趙の「李 牧」のヒリヒリとした頭脳戦も終わりに近づいている感じだしワクワクする!

 

 それはそうと、日本の老若男女が他国中華の古代史にロマンを感じるようになったのはね、たぶん…

 

 これはね、漫画家の「横山光輝」先生の功績が大きいと思うよ。

 

 まあ、僕が言わずとも、お分かりの方々も多いとは思うけど。

 

 横山先生の「三国志」が大きな切っ掛けになったと思う!

 

 

 

 まあ、それ以前にも、中華の影響を受けた日本の娯楽も多し、中華の昔話やことわざなど、日本で深く浸透している諸事情も有るかとも思う!

 

 そう言う文化的下地へサブカルチャのマンガで表現は子供でも入りくハードルを下げて導く力が有ったのではなかろうか…

 

 横山先生が、そう言った若年層を引っ張り込んだ事が大筋で間違いないと思う。

 

 横山光輝先生の大ヒット作品を並べて見ると、SFから歴史物、少女漫画と、とんでもないタイトルがゴロゴロ出て来る。

 

 

 

 

 本当にヒットメーカーで、人によっては手塚治虫先生よりも横山光輝先生の作品の方が親しみ深いという方も多いかと思う。

 

 そんなヒットメーカーの横山光輝先生が手掛けた中華の古代ものは「三国志」に続いて「項羽と劉邦」「史記」、三国志より先にリリースされているのが「水滸伝」、など、ガッツリと描かれている。

 

 

 

 

 それでね「キングダム」とは「始皇帝」のサクセスストーリーになるわけで、横山先生の作品で言うと「史記」の中に書かれたモノなんだよね。

 

 キングダムの原 泰久先生も「史記」の原文を紐解きながら作品制作されていて、本当に史記を紐解くってめちゃくちゃ大変なんだよ。

 

 

 紙の無い時代に竹簡という竹を細長い短冊にして、すだれ状に編んだものに、数文字で主要なエピソードを短く記録されたもので。

 読み解く側にその短文で推察力、想像力を存分に要求してくる資料、それが、この「史記」という中華の古代史記録書なんだよ。

 

 そう言う予備知識が付くと「横山光輝先生」も「原 泰久先生」もとんでもなく凄い人だなって実感できるわけで。

 

 だから、両先生の優れた読み解く力、そして想像力が生み出した作品だからヒットして当然という事も言える。

 

 でもね…両先生共に日本人なんだよね…日本人!

 

 本来で有るならば、中国で描かれて当然の作品をなんで日本の作家が描いて、日本の老若男女が好んで読むのか…

 

 なんでか分かる…?

 

 僕がね「中国」という言葉をココまで使わず、古代史に関しては「中華」って、なんで書いて来たのか…分かる?

 

 中華人民共和国が建国されて1966年から1976年に起きた「文化大革命」で、中華に伝わる伝統、文化、知識というものが、ことごとく破壊、抹殺されて、ほぼ壊滅してしまったんだよ。

 

文化大革命

文化大革命

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 こんな愚行を行った「中国」と略される破壊者と始皇帝から続く偉大な歴史を一緒に表現する事は出来なかった…って事だんだよ。

 

 また、なんで日本で中華の古代史にまつわるモノが受け継がれて来たか…

 

 それは「文化大革命」を免れて、古代史にまつわるモノが日本に残っていたって事も有る。

 

 昨今、中国は豊かになり、文化を愛でる芽も出て来て、中国で失われたモノを日本に買い求めに来る人も多い。

 

 …日本であるエピソードがあって。

 

 日本の中華古美術品オークションがあって、それに参加していた中国人コレクターが、古代中華のヒスイの「玉璽」を落札してね…

 

 

 ところが、買ったはずの中国人が日本のバイヤーに「本当にありがとう!」って声をかけたそうだ…

 

 大金をはたいて「玉璽」を落札した中国人の方が「ありがとう」っていったんだよ。

 

 本来なら売った方の日本のバイヤーの方が「毎度ありがとうございます」って言うところにだよ!

 

 理由は「文化大革命」以降、中国国内に残る「玉璽」はすべて、破壊された破片しか入手できないそうだ。

 

 そして、日本で手に入れた「玉璽」は完品!

 

 当然だよ!我々が普通に考えて、ヒスイで作られた「玉璽」という宝を傷つける事なく保管するって当然だよね?

 

 しかし、中国はこの価値観を破壊してしまった。

 

そして、中華の宝を綺麗に残してくれた、日本のコレクターへの感謝を表したって事、完品のまま中国へ返してくれた事への感謝の表現だったんだよ。

 

 文化大革命が起きたのが1966年~1976年

 

 横山光輝先生の「水滸伝」が登場したのが1967年~1971年

 

 横山光輝先生の「三国志」が登場したのが1971年~1987年

 

 …分かるでしょう?こう言う時代背景があるわけ。

 

 自国の偉大な歴史を抹消した国と、自国の文化のルーツにリスペクトした国…

 

 その差が今に至っても「キングダム」という名作の登場で実感できるわけ。

 

 さて!これから映画キングダム3も公開されるし、心待ちにしている方々とシェアできたら幸いです!