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クリエーターの脳内思考を垣間見せるブログです!

【アート】従妹の娘からのSOS 「花の絵が描けない~!」 貼り絵で山下清作戦!

 少し昔の話になるんだけど…

 

 9月まで数日でかわるという時期のある夜に従妹から電話かかかってきて…

 

 従妹(母)「〇美(娘)の夏休みの宿題で[花の絵]を描くという課題が有って、もう    数日で学校が始まるのに、描けないって泣いてるのよ…」

 

 …というような内容。

 

 まあ、従妹は絵にはそれほど、興味がないので、昔から僕が大きな全国的コンテストで大賞を受賞したと聞いても「ぽか~ん」って感じで、まったく興味がないw

 

 そんな従妹でも、まったく興味のない絵の話しでも、かわいい娘の為なら真剣に何とかしたいのだろう…

 

 …っと思ったのだが「描けないなら、描けないって先生いって免除してもらいなさい」って娘に諭しても…

 本人の〇美が「絶対に描いて出したいっ!」ってゆずらなくてなくて…

 

 …それは娘の勝ち!〇美が正しい!本当にこの親は!…まあ良いでしょう…

 

 実は、以前から娘の〇美は成績良くてクラスのトップだったりする、という話はきいていて…

 

 あぁこの子は結構な完璧主義で真面目な子なんだと改めて理解できた。

 

 だから、花の絵でも自分の納得がいく線が描けないと許せないんだろう。

 …ってすぐ分かったよ。

 

 たまにしか描かないのに、練習も無してすぐ思い通りの線が描けるほど絵の技術は甘くは無いからね。

 

 それで早速に「〇美に電話をかわって…」と告げて、本人に登場してもらう!

 

 ここから娘の〇美との話しが始まるわけ…

 

 「〇美、よく頑張ったな、後はおっちゃんに任せろ!」

 

 …って感じで、電話の会話だけで、作品作りをさせていく事になる。

 

 まず、最初に課題の絵を描く画材の指定は先生から出ているかを聞いて「鉛筆でもクレヨンでも絵具でも何でもいい…」らしい!

 そして、絵を描くのは画用紙にと言う事だった。

 

 これは僕的には「シメシメ」って感じで、〇美へのレクチャーも簡単すむって思ったね。

 

 僕「〇美、画用紙の好きな所 ”点” を一つ打って!ただし、画用紙の真ん中はダメ!」

 

 〇美「どこでも良いの???」

 

 僕「真ん中以外ならどこでも良い、別に中心がズレた真ん中付近はOKだ」

 

 〇美「…うん、描いた」

 

 僕「じゃあ、その点を中心に画用紙いっぱいに円を描いてみて…」

 

 〇美「ああああああああ!ダメ―!!!」

 

 僕「どうした?…」

 

 …どうやら、打った点の位置が端の方で、点を中心に円を描いたら、画用紙からはみ出してしまう、とのこと。

 

 まあ、それは想定通り!むしろ狙い通りでOK!w

 

 僕「はみ出しても良い!はみ出した部分はそこにも円が有ると思ってて」

 

 〇美「…分かった」

 

 僕「じゃぁ、色紙とか千代紙とか有るか?」

 

 〇美「…色紙あるけど、使って少ししか無い…」

 

 僕「OK、じゃぁね、お母さんに、使わない、捨ててもいい包装紙とかチラシとか雑誌 

   とか有るか聞いて」

 

 …ここで母(従妹)が登場!

 

 母「…何するの?壁紙とかも有るけど…」

 

 僕「OK!OK!”山下清”だ!いろいろな種類の紙が有る方が良い!あ!それと糊もお願い!」

 

 母「……山下?…うん、分かった」

 

 〇美に交代!

 

 〇美「…用意、できた…」

 

 僕「じゃぁね、色々な紙をバラバラに花びらを思い浮かべて"ちぎって"見て…」

 

 〇美「ちぎる…???」

 

 僕「そう!”ちぎる”の!ハサミは使っちゃダメ!」

 

 〇美「綺麗に切れない!」

 

 僕「綺麗に切らなくて良い!本物の花びらはみんな同じ形してるか?」

 

 〇美「…」

 

 僕「本物の花びらにも、大きいの、小さいの、折れたの、いろいろあるだろ?」

 

 〇美「…分かった」

 

 本当にね小学生の子とかね、理屈をこねないで「す~」って素直に受けてくれるから

教えてても、気持ちが良いんだよ!w

 

 僕「後はね、描いた円に沿ってちぎった紙の花びらを貼っていって、だんだんと最初

   に打った点まで続けて、最後に ”点” の所に毛糸とかアルミホイルとかクシャクシ

   ャに小さく丸めて張り付ければ出来上がり」

 

 〇美「…うん、がんばる!」

 

  …子供は素直って良いよな!

 

 母「…これで良いの?…絵じゃ無いよ…これ…」

 

  …本当に大人って奴は…

 

 僕「何を言ってる!絵だよ!貼り絵って言う絵だ!山下 清 作戦!」

 

 母「…あぁぁぁ、分かった!ありがとう!」

 

 たぶん従妹は山下 清 なる大画伯は知らんだろうが、貼り絵は理解できなのだろう。

 

 …でもね、この貼り絵作戦はこの課題を出した〇美の担任の先生に対する、僕からの挑戦状でも有るの!

 

 以前から義務教育での美術教育に、疑問を持っていて、ガッツリ美術を教えるなら高校生からで良いと思ってたのね。

 

 幼稚園、小学生、中学生までは芸術性の根幹「想像性」を教える時期だと思っていて、思春期を超えてからは、この根幹は教えても身につける事がほぼ不可能だと言って良い!

 

 だから、お受験、お受験で、大学に入るまで「答えが有る」問題だけを解いて来た人には、この根幹は育っていないんだよ。

 少しでもマンガやアニメ、スポーツなどをカジってたら少しは救いようは有る!

 

 それで、さっきも言ったように、画用紙からはみ出して花を描いても良いって、素直に受け入れて吸収できる世代が幼稚園から中学生までの社会性を身に着ける前の時期に根幹に触れておかないとクリエイティブ界での将来は厳しいと思うよ。

 

 この四角い画用紙の内側が社会で、その中で規則に従って社会性を身に着けて、ルールを守る生活に支配されて大人になれば。

 画用紙の外側に出るって事は反社会性の領域と位置づけになるようになって、枠から出られなくなる。

 

 そして、その画用紙の内側のルールに従って物事を発想しても飛びぬけたアイデアは生まれない!

 

 だから、社会性を飛び越えても違和感を感じない世代で、発想の根幹を身に着けておかないと。

 後々、どうしても社会性の枠内で生きて来た人は、なかなか飛躍的なアートには抵抗感が有って受け入れられなくなったりする。

 

 まあ、簡単に分かりやすい例として芸術家って変な人が多いでしょう?そういう事なんですよ。

 

 それで〇美の担任の先生に対して、挑戦状でどう言う答えが返って来るか、見てみたかったんだ。

 

 …それで返って来た答えが…

 

 〇美「ありがとう!はなまるもらえて、教室の後ろの真ん中に絵を貼ってもらった」

 

 この担任の先生はちゃんと小学生に教えるべき事を理解されている先生で安心した…という僕の昔話でした。

 

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