以前のブログで映画「大怪獣のあとしまつ」は、あまりにも酷かったので途中で観るのをやめたって書いたけど…
本当にね日本映画界の余りにも、閉ざされた村社会、その中だけで全てが回ってるって感じを改めて実感したドキュメンタリー番組が放送されたんだよね。
僕は見てないんだけど、その放送後で騒ぎになっているニュース記事を読んだんだ。
やっぱり日本の映画界はもう救いようが無いなって感じたんだけど…
その番組が「ドキュメント「シン・仮面ライダー」 ~ヒーローアクション挑戦の舞台裏~」って言うNHKの特番なんだけど。
その中で庵野監督が声を荒げるシーンが有ったそうで…
そのシーンを見た視聴者が「庵野監督のパワハラだ!」とか言ってネットで騒ぎになってるとか、何とか…
庵野さんって本来そんなに声を荒げる人じゃないんだよね…
ダメだったら「ダメ」って言うだけで、怒りを露わにするような人じゃないんだよ…
ただ、考えられるのが、日頃、日本映画の慣習にどっぷりのスタッフ、キャストへ自分の考え方がなかなか理解してもらえないストレスが溜まっていたのかも知れない。
まあ、それを伺わせるような内容が記事になっていたから察したんだけど。
それは「シン・仮面ライダー」でアクション監督(殺陣師)を担当された経歴20年のベテラン、業界どっぷりの監督へのダメ出し内容なんだ…
僕自身は庵野監督のアニメはず~っと見て来たし、畑は違えど、クリエイターとしての視点から、そのダメ出し内容を見て…
20年のベテランアクション(殺陣師)監督はこれが分からんの…?
…って感じなんだよ。
そのダメ出し無いよが以下の通り!
・圧倒的に創意工夫が足りない
・足りないのは意外性、今のところ一切ない
・頭の中が殺陣でいっぱいになってる
・やっぱり組み手は組み手にしか見えない
…これが庵野監督のダメ出し内容なんだけど。
分からないのかな…?
【 圧倒的に創意工夫が足りない 】
日本の映画界で、長年殺陣師やってきて、自分の知る殺陣の同じパターンの引き出しから出して来たモノを「シン・仮面ライダー」の撮影でも出して来て、ダメ出しされたら、また次の引き出しから違うのを出す…
そんな事を撮影中でも繰り返していたんじゃないかな?
【 足りないのは意外性、今のところ一切ない 】
上記の引き出しの件にも共通する内容だね…
庵野監督は「シン・仮面ライダー」の為に新しく何か考えてくれって言うオーダーを言い続けて形跡が見受けられるよね。
こんなダメ出しをされてアクション監督は庵野監督のアニメを見た事ないのかな?
特に最初のTV版「エヴァンゲリオン」とかをさ…
僕たちのは最初のエヴァをロボットアニメとして、見ていて、エヴァの動きとか、意外性を通り越して異様な感じも覚えたし。
狂ったバトルアクション末に、倒した使徒の体を貪り食う演出、これには当時、驚愕したのんだけど。
たぶん庵野監督が言わんとしている事はこれなんだよ。
歴史に残る衝撃的アクションを考えてくれって言うオーダー!
引き出しからじゃなく「考えてくれ」ってね!
【頭の中が殺陣でいっぱいになってる】
これも最初に書いた殺陣のパターンの引き出しに通じる事だけど。
日本映画村の中しか見ていないから、村の外のアクションが思いつかない。
その村の外側にあるような「エヴァの使徒食らい」的な発想へ至らない、結果、同じパターンを頭の中でこねくり回してゆであがる…
これはアクション監督が原因と言うより日本映画村での慣習、お師匠さんから受つだ当然の事をにしている、閉鎖社会がもたらす負の遺産だよね。
【やっぱり組み手は組み手にしか見えない】
これは日本のTV時代劇を見ていたら良く分かる。
チャンバラシーンで一人を相手に、多勢が一人づつ行儀よく、主人公に挑んで切られていく、主人公超人演出…
暴れる将軍様がメチャクチャ強くて、勝つことが約束されている事が見え見え…
こう言うシーンはよく見るよねw
これは仮面ライダーでも戦闘員がライダーを襲うシーンにも共通する事だけどw
庵野監督はそれを「シン・仮面ライダー」ではやりたく無かった…そう言う事なんだよ。
「相手を殺す気でやってください!」って庵野監督はオーダー出しているわけだし。
分かり切ったライダーの勝利を最初から伺わせる殺陣はやめてくれって事なんだよ。
子供相手に仮面ライダーを撮影するならそれでも良いけど、「シン・仮面ライダー」は昔子供だった大人がターゲットだからね。
当時、疑問に思っていた仮面ライダーアルアルを改変して映画にする、それは庵野監督が「シン・シリーズ」で表現し続けて来た事なんだよ!
当時の少年だった僕も「あ~これこれ!これなんだよ!」って思う事が「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」を通して、よく感じて共鳴した部分なんだね!
ただね、今回の事で庵野監督をスタッフ、キャストに謝罪させているんだよ…
自主制作じゃなく興行成績が問われる商業映画の性というか…
…多勢に無勢というか日本映画村に乗り込んで、撮影が動かなくなればこうなるよねって感じ。
以前もブログで書いたけど、絵画とイラスト(商業絵)は違うので、商業モノはクライアントの声が神の声になるんだよ、根っこは同じ!
庵野監督は涙を流していたそうだけど…
これは悔し涙だよね、何とか日本の映画界を世界に通用するようにしたい…
庵野監督の中にはそう言う思いが有ったのかも知れない…
多くの日本アニメが世界で評価され、その間、日本映画が世界に評価されたのが何本有っただろうか?
結果で見れば言いわけ出来ない事だと思うけど、村社会だから、村の外の事はどうでもいいって感じなんだろう…
そんな日本アニメのトップを走る監督に頭を下げさせて、悔し涙を流させて…
日本映画村は何をやってるんだかなって思うよ…
世界の黒澤!世界の三船!この両者が世界でなぜ通用したか…
黒澤監督の名作「椿三十郎」三船と仲代の一騎打ちのラストシーンを思い出せよ!
…ひょっとしたらこの一件で庵野監督が、もうダメだって思ったら次の「シン」は無いと思うよ…観たいけどね…
日本映画を憂う皆さんとこの思いをシェアできたら幸いです。